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【参院選2019】社会民主党 政見放送 書き起こし

  • ポリタス編集部
  • 2019年7月16日

2019年7月11日にNHKで放送された社会民主党の参議院比例代表選出議員選挙の政見放送の書き起こしです。


社会民主党の政見放送です。お話は、社民党副党首・福島みずほさんと、社民党幹事長・吉川はじめさんです。

福島:みなさんこんにちは。社民党副党首、福島みずほです。

吉川:みなさんこんにちは。幹事長の吉川はじめです。

福島:安倍総理は、憲法を争点の一つとして挙げましたね。

吉川:憲法は、権力者を縛るものです。政府には憲法を尊重し、擁護する義務があります。しかし、安倍政権は憲法をないがしろにし、今の日本は憲法理念とかけ離れた社会になってしまいました。社民党は、安倍総理の挑戦を受けて立ち、憲法を守るために全力で戦います。

福島:社民党にとっても大事な選挙です。何としても比例区で2%以上を獲得し、国会の中で政党として頑張り続けたいと思います。社民党をどうかよろしくお願いいたします。

アベノミクスや社会保障の改悪によって、暮らしの疲弊や格差の拡大、貧困の連鎖が進んでいます。その中で、一人ひとりがバラバラにされ、孤立や孤独が作られてきました。児童虐待や引きこもり、老老介護などは個人の問題だけはありません。明らかに社会の問題です。

吉川:小泉構造改革以降、自己責任や自由努力が強調され、社会自体が壊れてきました。政治が国民に対して自己責任を強調することは、政治の責任放棄です。社民党は社会にこだわり、憲法の理念や条文を活かし、誰もが平和で安心して共に生きられる、支え合う社会の実現を目指すことを訴えます。

福島:夫婦二人で老後2000万円が必要という金融庁の報告書が出されました。都合が悪いものは受け取らないという態度も問題ですが、自己責任で投資しなさいっていうのも、政府の責任を棚に上げてひどいですよね。

吉川:憲法25条は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障しています。そして、国に対して福祉の向上、増進を務めることを義務づけています。自助ではなく、公助や共助を大事にして、安心の年金をつくっていくことこそ、政治が果たす役割です。

福島:国民年金の平均受給額は、月5万5000円です。これでは暮らしていけません。その上、さらに政府はマクロ経済スライドで3割カットしようとしています。社民党は、基礎年金部分のマクロ経済スライドを直ちに中止します。無年金・低年金の方たちのための、目指して、最低獲得、最低保障年金の創設に取り組みます。社会保障を支えるのが雇用です。労働法制の改悪には、絶対反対です。長時間労働の規制で、人間らしい働き方を実現するとともに、非正規雇用から正規雇用への転換を促します。

吉川:賃金が低かったり、正社員になれなかったりするのも、個人の責任とされてきました。しかし、憲法13条は幸福追求権を保障しています。幸せになる権利があるし、政治はそのために努力しなければいけません。

福島:規制緩和を進め、自己責任や自助努力で若者や労働者を切り捨ててきた政権こそ反省すべきです。最低賃金の引き上げも必要です。

吉川:社民党は、地域別から全国一律の最低賃金に転換し、時給1000円にしたうえで、1500円を目指します。中小企業への支援を一体的に行います。最賃の引き上げは、消費の拡大にもつながります。社会を底上げする経済政策で、皆さんが暮らしに安心を持てるようにすることが大事です。社会保障と雇用の立て直しに全力をあげます。

福島:安倍政権は10月から消費税率を10%にすることを決めました。

吉川:格差が拡大するなか、低所得者に負担が大きい消費税率の10%への引き上げは、断じて認められません。景気も大変なことになります。特に高齢化率が高く、賃金の相対的に低い地方は、その直撃を受けます。

福島:消費税増税が所得税や法人税の減税に使われてきました。税の取り方も使い方も変えるべきです。

吉川:日本ほど税による再分配機能が損なわれている国はありません。所得税の累進性強化、大企業への法人税強化など、不公平税制を是正するとともに、膨張する防衛費などの歳出を見直し、財源を確保します。

福島:痛ましい児童虐待の事件が相次いでいます。虐待はもちろん許せませんが、孤立した親のSOSでもあります。社民党は、社会が親を支援することが必要であり、一人ぼっちにしないよというメッセージを送ります。保育園の待機児童問題は、保育の質の向上と量の拡大を車の両輪で進めることが大切です。保育士さんの給与も月5万円引き上げ、待遇を改善します。吉川さん、教育はどうですか。

吉川:OECD34カ国のうちで、日本の教育予算は最下位。GDPの2.9%に過ぎません。その分、親や学生に負担がしわ寄せされています。社民党は、GDP5%水準にまで引き上げることを目指しています。

福島:社民党は学校給食の無償化、中学給食の完全実施に取り組んでいます。授業料の値上げや、ローンのような奨学金も大変です。

吉川:大学などの学費は将来的に無償化を目指し、段階的に引き下げていきます。奨学金も無利子を原則とし、給付型奨学金の対象や水準を拡大します。今、返している人の負担の軽減や免除を行います。

福島:さて、安倍政権は憲法を踏みにじり、戦争法などの違憲立法を次々強行したうえで、自衛隊を憲法に明記して、戦争できる国を完成させようとしています。専守防衛を逸脱する兵器の購入を勧め、アメリカの高額兵器の爆買いをしています。

吉川:集団的自衛権の行使が解禁され、唯々諾々とアメリカに従う安倍政権のもとで、自衛隊が海外派兵され、アメリカとともに戦争する危険性が増しています。

福島:9条の明文改憲の発議を止め、戦争法に基づく自衛隊の海外派兵を止めることができるのは国会です。そのためにも、社民党の平和の議席が必要です。

吉川:沖縄では何度も反対の民意が示されたのに、辺野古の新基地建設が強行されています。危険なイージス・アショアや、オスプレイの配備も強行されております。こうしたことは許されることではありません。住民の生活を圧迫している日米地位協定の全面改正も必要です。民意や地方自治を尊重した政治への転換を求めます。

福島:吉川さんは大分ですよね。地方は、まさにどうですか。

吉川:地方創生と言いながら、アベノミクスの成果は地方には届いていません。TPP11や、日欧EPA、そして日米貿易協議は地方を支えている農林水産業を危機に陥れます。水道の民営化も問題です。種子法や、戸別所得補償制度の復活で、農林水産業を再生します。

福島:原発再稼働も原発輸出も認められません。社民党は、省エネと脱原発で2050年に再生可能エネルギー100%を目指しています。再生可能エネルギーは技術革新や雇用創出、内需拡大や地域振興にもつながります。今、日本が目指すべきは戦争できる国や、世界で一番企業が活躍する国ではありません。安倍政治に対抗できるのは、平和、自由、平等、共生を掲げる社会民主主義です。日本で唯一、社会民主主義を目指しているのが社民党です。

吉川:それはまさに、憲法を生かす政治です。変えるべきは、平和憲法ではなく安倍政権です。

福島:今回、社民党は女性の候補者が7割を超えました。社民党はすべての女性を応援します。男女共同参画や、夫婦別姓、性暴力禁止法の制定を目指して、しっかり取り組んでいきます。

吉川:社民党は、社会党時代以来、護憲を旗印に、平和や原水禁、脱原発、反差別、人権擁護、格差是正に全力を挙げてきました。護憲政党の老舗としての、意地と底力を発揮し、憲法改悪をストップさせ、支え合う社会を作ります。みなさまの社民党へのご支持を、心からお願い申し上げます。

続いて名簿登載者の方々のお話です。司会は社民党副党首、福島みずほさんです。

福島:みなさんこんにちは、社民党副党首、福島みずほです。社民党は、この参議院選挙で憲法の理念や条文がいかされた、誰もが平和で、安心して共に生きられる、支え合う社会の実現を訴えます。社民党は、現場や地域で、頑張っている候補者を、比例区で擁立をしております。それでは候補者の皆さんから、熱い想いを語っていただきます。まず、吉田忠智さんです。

吉田:みなさんこんにちは、吉田忠智です。今ほど、市民の暮らしと平和が脅かされている時はありません。私は、これまでの大分県議会議員、参議院議員、社民党党首の経験を生かし、まずは暮らしの安心を確保するために、不公平税制の是正と、生活重視の予算配分により、年金、介護、医療、福祉、雇用の立て直しと、子育て、教育の充実をはかるとともに、地方が元気になるための農林水産業の活性化や、中小企業の振興、自治体機能の強化に取り組みます。そして、憲法9条、平和憲法を守り、脱原発に向けた仕組みづくり、辺野古新基地建設阻止と、米軍基地の縮小、撤去を求め、行動します。何よりも人権が大事にされ、誰もが置き去りにされない社会づくりに全力を尽くします。吉田忠智、よろしくお願いします。

福島:続きまして仲村未央さんです。

仲村:私、仲村未央は沖縄の出身です。1年前の慰霊の日、翁長前沖縄県知事は、辺野古に新基地をつくらせないという私の決意は、いつも県民とともにあり、これからもみじんも揺らぐことはないと述べられました。その言葉通り、私たちは続く県知事選挙で、さらには県民投票で、辺野古に新基地を造らせないという揺るがない県民の意思を示しました。しかし安倍政権はその民意を一顧だにせず、今、この時も土砂の投入を強行しています。私は、辺野古新基地阻止の思いを共有する、国民の声の1議席を目指す決意です。また、原発やイージス・アショアなど、建設ありき、配備ありきで国策を押し付けられようとする方々の、思いの代弁者としても必ず声をあげていきます。守る、辺野古。憲法、いのち。私、仲村未央に平和の1議席を託してください。よろしくお願いいたします。

福島:続きまして、大椿裕子さんです。

大椿:大椿裕子です。私はクビを切られた元非正規労働者です。バブル崩壊後、小泉政権により規制緩和が加速し非正規労働が拡大するなか、社会に出たロストジェネレーションです。安倍政権は私たちのことを人生再設計第一世代と呼びますが、失われた20年を無策のままやり過ごし、何も手を打たなかった政府こそ、労働政策を再設計すべき時です。ロスジェネの皆さん、あなたが抱えている生きづらさは、あなたの自己責任じゃない。安倍政権と経団連は、非正規で安い賃金で長時間働かせても文句も言わない、戦うこともできないと、私たち労働者のことをなめています。労働者を使い捨てにするな。大椿裕子は声を大にして言います。全国に散在する2100万人以上の非正規労働者よ、立ち上がれ。全ての労働者よ、大椿裕子と共に立ち上がろう。

福島:以上が、社民党の比例代表候補者からのメッセージでした。この参議院選挙は、平和や暮らしを壊す、安倍政治の暴走を止め、平和憲法の改悪を阻止する選挙です。社民党は、憲法がいかされた支え合う社会を作ります。平和と民主主義。働く仲間や、弱い立場におかれている人々の権利を守るため、社民党は護憲政党の老舗としての意地と底力を発揮して、何としても比例区で2%以上獲得し、国会の中で政党として頑張り続けます。どうか、みなさまの心からのご支持をよろしくお願い申し上げます。

社会民主党の政見放送でした。

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ポリタス編集部
ぽりたすへんしゅうぶ

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